決算概況・2023年3月期 第3四半期決算概況
詳細は「2023年3月期 第3四半期決算短信」をご覧ください。
(百万円) | 2022年3月期 第3四半期 | 2023年3月期 第3四半期 | 増減率 (%) |
---|---|---|---|
売上高 | 72,531 | 89,607 | 23.5% |
営業利益 | 2,366 | 9,476 | 300.5% |
経常利益 | 2,590 | 9,749 | 276.3% |
親会社株主に帰属する四半期純利益 | 1,787 | 5,646 | 215.9% |
(百万円) | 2022年3月期 (2022年3月31日) |
2023年3月期 第3四半期 (2022年12月31日) |
増減額 |
---|---|---|---|
資産の部 | |||
流動資産合計 | 56,698 | 79,896 | 23,197 |
固定資産合計 | 13,303 | 15,256 | 1,953 |
資産合計 | 70,001 | 95,152 | 25,151 |
負債の部 | |||
流動負債合計 | 27,864 | 47,965 | 20,100 |
固定負債合計 | 10,584 | 8,969 | △1,615 |
負債合計 | 38,449 | 56,934 | 18,484 |
純資産の部 | |||
純資産合計 | 31,551 | 38,218 | 6,666 |
負債純資産合計 | 70,001 | 95,152 | 25,151 |
(百万円) | 2022年3月期 第3四半期 | 2023年3月期 第3四半期 | 増減額 |
---|---|---|---|
営業活動によるキャッシュ・フロー | 4,176 | 1,068 | △3,107 |
投資活動によるキャッシュ・フロー | △1,218 | △3,050 | △1,832 |
財務活動によるキャッシュ・フロー | △2,083 | △4,306 | △2,223 |
現金及び現金同等物に係る換算差額 | 0 | △0 | △0 |
現金及び現金同等物の増減額(△は減少) | 875 | △6,288 | △7,164 |
現金及び現金同等物の期首残高 | 24,510 | 32,304 | 7,793 |
新規連結に伴う現金及び現金同等物の増加額 | 14 | - | △14 |
現金及び現金同等物の期末(四半期末)残高 | 25,400 | 26,015 | 615 |
コロナ禍が長期化する一方で、行動制限は順次緩和され、「ウィズ・コロナ」へのシフトにより経済活動は正常化に向かうとともに、日常生活が戻りつつあります。
不自由な生活が終わりを迎えつつある中で、「巣ごもり」の言葉に代表されるように、余暇の過ごし方は変容し、テクノロジーの発達がそれを支えました。コロナ禍という人々に我慢を強いる時期を経たからこそ、余暇の重要性は増しており、また、質の高い余暇が求められています。
このような経営環境の中、『すべての人に最高の余暇を』を企業理念として出発した当社グループは、その理念の実現に向け、2022年10月、当社グループ各社を持株会社である円谷フィールズホールディングス(株)の下に統合し、新体制へ移行致しました。グループの中核は、子供・ファミリー層を中心としながら国内外の幅広い世代を対象に事業を展開する(株)円谷プロダクションと、大人世代を対象に事業を展開するフィールズ(株)であり、グループとして幅広い年代をカバーしております。また、持株会社体制となることにより、グループとして、柔軟で機動的な意思決定・経営戦略の実行が可能となりました。
コロナ禍がもたらした「ワーク・フロム・ホーム」などの生活様式の多様化は、余暇の過ごし方の多様化へとつながり、この流れは止まることなく進んでいくものと想定されます。
当社は、引き続き人々の余暇へのニーズを的確に捉えるとともに、5年後、10年後を見据えながら、すべての人に最高の余暇を提供するために、着実に歩を進めて参ります。
当第3四半期累計期間の各事業セグメントの状況は下記の通りです。
なお、持株会社化への移行に伴い、当第3四半期連結会計期間より、財務会計上においても従来の単一セグメントから「コンテンツ&デジタル事業」、「PS事業」の2つの報告セグメントに変更しております。詳細は「2023年3月期 第3四半期決算短信」13ページをご確認ください。
コンテンツ&デジタル事業セグメント
成長力のダイナミックな推進を担う(株)円谷プロダクションに関しては、前四半期の流通網拡大効果を存分に活かしてクリスマスや春節商戦をにらんだ品揃えを拡充した結果、ウルトラマン関連の低価格帯商品の販売が急伸し、中国からのライセンス収入が大きく伸長致しました。
一方、日本国内においては、2022年5月に全国で公開され記録的なヒットとなった『シン・ウルトラマン』は、作品性の高い評価もあり、女性など新たなファン層の獲得につながりましたが、2022年11月にAmazon Prime ビデオでの独占配信がスタートしたことにより、映画を見逃した方々も含めて、更なるファン層の拡大、定着につながっています。
また、冬休みに合わせて開催した『ウルトラヒーローズEXPO 2023』の来場者は昨年を大きく上回り、年末商戦でもウルトラマングッズの販売は好調に推移しました。
[表1:(株)円谷プロダクションの事業収入の推移]
(株)デジタル・フロンティアは、国内大手ゲーム会社を中心としたCG映像制作やNetflixとのVFX映像制作等が引き続き堅調で、当第3四半期累計期間の業績は売上高3,183百万円(前年同期比19.0%増)、営業利益278百万円(同89.6%増)となりました。
この結果、コンテンツ&デジタル事業セグメントの当第3四半期累計期間の業績は、売上高10,665百万円(前年同期比63.5%増)、営業利益3,805百万円(同211.8%増)となりました。
PS事業セグメント
PS事業を取り巻く環境は、この10年近くに亘り、規制強化などによる影響から市場は縮小傾向にありましたが、各メーカーの開発努力及びホールの経営努力の結果、昨年以降導入された新規則等に対応した遊技機が徐々にユーザーに受け入れられました。特にパチスロにおいては、6.5号機が市場において広範な支持を獲得したことに加えて、11月末に導入されたスマートパチスロ(以下、「スマスロ」)は、当初想定されていた通り、ユーザーから非常に高く評価されています。
こうしたスマスロの成功を受け、来年度以降に投入される「スマートパチンコ」(以下、「スマパチ」)に対するユーザー及びホールの期待は日に日に高まりを見せており、市場拡大に向けて明るい兆しが見え始めました。長い冬に耐え、ようやく春を迎えたパチンコ業界ですが、来年度からは本格的な夏を迎えるものと確信しております。
当第3四半期においては、12月に納品した『Pゴジラ対エヴァンゲリオン ~G細胞覚醒~』は導入以前から話題を呼び、2022年最大の販売台数を記録しました。加えて『新世紀エヴァンゲリオン~未来への咆哮~』については、ユーザー及びホールの強い要望を受け増産致しました。また、プライベートブランドの販売好調に加え、原価低減効果が業績に寄与致しました。
この結果、PS事業セグメントの当第3四半期累計期間の業績は、売上高77,619百万円(前年同期比20.6%増)、営業利益6,062百万円(同477.0%増)となりました。
その他セグメント
その他事業は堅調に推移した結果、当第3四半期累計期間の業績は、売上高1,721百万円、営業利益56百万円となりました。
以上のような事業活動の結果、当第3四半期累計期間の連結業績は、売上高89,607百万円(前年同期比23.5%増)、営業利益9,476百万円(同300.5%増)、経常利益9,749百万円(同276.3%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益5,646百万円(同215.9%増)となりました。
2023年3月期の連結業績予想につきましては、下記の通り修正しております。
[表2:2023年3月期連結業績予想]
2023年3月期の事業セグメント別の営業利益予想につきましては、下記の通りです。
[表3:事業セグメント別営業利益予想]
※持株会社化に伴い2023年3月期予想ではPS事業の費用の一部を「調整額」として別建計上しております。
表3では、比較可能性の観点より、簡便的に前回予想の数値を同様の基準に基づき調整しております。
コンテンツ&デジタル事業セグメント
(株)円谷プロダクションでは、ウルトラマンブランドを浸透すべく、中国において10年超に亘りウルトラマン作品の露出と認知拡大に向けた施策を実行して参りました。その結果、ファンの拡大、それがライセンシーの拡大につながるという好循環を生み出すことができ、2023年3月期の中国ビジネスの成長につながりました。特に、2022年7月には、年間500万人以上の来場者を誇る上海のオーシャンパーク内にウルトラマンエリアがオープンし人気となるなど、更なるウルトラマンブランドの浸透に拍車をかけています。この勢いを背景に販路が拡大した結果、当第3四半期においては、既述の通り中国からのロイヤリティ収入が大きく伸長致しました。
また、日本国内では、『シン・ウルトラマン』によるファン層の拡大効果に加えて、テレビシリーズを受け、2023年2月23日より映画『ウルトラマンデッカー最終章 旅立ちの彼方へ…』の上映が予定されており、関連グッズの売上が期待されます。
なお、従前より取り組んでおりましたウルトラマンブランドの他地域への展開に関しては、人口が多くポテンシャルがあり、かつ既に一定程度の認知度を得ているASEANを中心とした東南アジアを最重要地域と位置付け、地域の文化・特性を熟知し、また信頼のおける現地企業との連携等、ローカライズを重要視して取り組んで参ります。また、北米市場につきましても、ウルトラマンブランドの認知度向上に向け、より具体的な取り組みを進めて参ります。
PS事業セグメント
フィールズ(株)では、新規則等に対応し、ゲーム性に優れた機種の開発に取り組んで参りましたが、2022年3月期に販売を開始したパチンコ『新世紀エヴァンゲリオン~未来への咆哮~』をはじめ、当社グループとして初の6.5号機であるプライベートブランド『パチスロ犬夜叉』が市場から非常に高い評価を得、増産の要望を頂くなど結果を残すことができ、第3四半期累計では、予想を大きく上回る業績を達成することができました。
2023年3月期は、通期でパチンコ7機種、パチスロ6機種の販売を予定しております。当初第4四半期にパチスロで販売を予定しておりましたうち1機種は、他社の動向を踏まえ、戦略的に来年度の販売とすることと致しました。
来年度以降は、市場では「スマパチ」への期待が高まっており、「スマパチ」、「スマスロ」時代の到来が予想される一方で、ユニットも含めた供給様式の観点から、「非スマパチ・スマスロ」に関してもニーズはあるものと想定しております。当社と致しましては、市場のニーズを的確に捉え、ユーザー並びにホールのニーズに寄り添ったバランスの良い商品ラインアップを目指して参ります。
(注1)記載の数値は全て当社推計によるものです。
(注2)記載の商品名は各社の商標または登録商標です。