2010年5月11日(火)10:00より、東京都千代田区・丸ビルホールにて、2010年3月期 決算説明会を開催いたしました。
本ページでは説明会での当社説明(要旨)についてご案内いたします。
皆さんおはようございます。足元の悪い中、弊社2010年3月期の決算説明会にお越しいただき感謝申し上げる。
昨日、決算を発表したが残念ながら計画数字は未達となった。要因は、主力と思われていた一部のパチンコ機の販売台数が予想まで届かなかったことだ。一方で、期末に発売したパチスロ機「新世紀エヴァンゲリオン~魂の軌跡~」ならびに「新鬼武者」の販売が非常に好調で、後半にかなりリカバリーした。
2011年3月期の営業利益目標は110億円で発表した。決して中期経営計画の営業利益140億円を諦めた訳ではなく、社内上はこの数字に向かっている。当初目標の目標である中期事業計画の進捗に遅れはない。
これから、決算概況、中期経営計画、弊社のビジネスモデルの順番で説明する。特に、年度末にかけて子会社化した、ウルトラマンシリーズを有する「株式会社円谷プロダクション」、「株式会社デジタル・フロンティア」、そして新会社である株式会社小学館クリエイティブとのコミック出版会社「株式会社ヒーローズ」等々が弊社のビジネスストラテジーとどのように繋がっていくのかについて説明をしたい。
⇒席上配布資料 4-5ページ
連結の業績については、営業利益は計画に対して約18億円の未達となっている。これはパチンコ機の販売台数に換算すると、4万台程になる。
連結業績なので様々な要因があったが、PS事業の未達分が大きく影響している。
連単差については、PS事業の一部開発子会社においてお客様の販売計画が下回ったことも一部影響している。
個別の業績について、販売台数は、パチンコ機は33万台、パチスロは11万台で、PS累計は44万台の実績となった。
台数ベースでは、パチンコ機は前期に比べて大きく上回った。その要因は主に「CR新世紀エヴァンゲリオン~最後のシ者~」だ。パチスロ機のトピックスとしては、「新世紀エヴァンゲリオン~魂の軌跡~」の販売累計が約8万台だが、数千台は今期(2011年3月期)に計上される。そして、「新鬼武者」についてもホールでの稼動もよく、いまだに受注を伸ばしており順調である。
⇒席上配布資料 6ページ
セグメントごとの主なトピックとしては、PS・フィールド以外の営業利益がプラス7億6,000万円改善されたことが挙げられる。スポーツエンタテインメント・フィールドの赤字が縮小し、モバイル・フィールドは引き続き堅調に黒字で推移し、その他・フィールドの赤字がほとんどなくなったことで、連単差が大きく縮小した。
⇒席上配布資料 7ページ
バランスシートについて、特段コメントはない。
⇒席上配布資料 8ページ
キャッシュ・フローについても同様だが、営業キャッシュ・フローは、期末に販売が多かったため4月~5月で大きく黒字になる見込だ。また、現預金の残高等については、安全性が十分に担保されているとご理解いただきたい。投資キャッシュ・フローは、株式会社デジタル・フロンティアと株式会社円谷プロダクションの株式取得によるキャッシュ・アウトが4月に発生するため、4月のキャッシュ・フローベースでは若干マイナスになるかもしれない。
⇒席上配布資料 10ページ
連結の通期見通しは、売上高は上期300億円、下期500億円、通期800億円。営業利益は上期40億円、下期70億円、通期110億円としている。今年上期にヱヴァンゲリヲンシリーズを投入予定だが、市場環境を鑑み事業計画ベースでは、慎重な数字としている。下期に大型タイトルのパチスロ機の投入を予定しているが、その数字についても100%の見込み数値は計画に入れていない。
リスクについては、パチスロ機を中心として、保通協検査の適用の可否と、販売スケジュールのずれが、事業計画に対する主なリスク要因だと考えている。最近、PS業界で話題となっているMAX規制に関しては、弊社は元来射幸性の高い機種をあまり投入していないため、影響はないと考えている。
ちなみに、京楽産業.株式会社との第一弾機種は、当初スケジュール通り2011年3月期4Qで進んでいる。まだ公表できる段階ではないが、第1弾タイトルについては、両社(フィールズ/京楽産業.株式会社)とも合意している。連結子会社となった株式会社円谷プロダクションと株式会社デジタル・フロンティアについては、利益とのれん代が相殺され、今期の連結業績への寄与はほとんどない。
⇒席上配布資料 12-14ページ
営業利益目標の中期経営計画について、まずはヱヴァンゲリヲンシリーズを中心として、上期の実績をきちんと出していきたいと考えている。なお、来年度以降についても、今のところ中期経営計画を変更する大きな要因はないと考えている。
⇒席上配布資料 15-17ページ
フィールズならびにフィールズグループが何を考え、どんな方向に進んでいるのかについてご説明したい。
恐らく機関投資家やアナリストの皆様が、収益を分析する際の定量的データを用いると、弊社はPS業界の中の商社であり、代行手数料や仕入販売に伴うマージン、取得した版権・ライセンスの入り繰り等々がPLインパクトとして90%を超える影響を及ぼしていると思う。一方、定性的な分析を加える際には、是非弊社のビジネスストラテジーをもう一度ご理解いただきたい。
このビジネススキームのモデルは、2003年の上場時に使用したモデルに若干加筆訂正を加えた資料だ。つまり、7年前のストラテジーが、今でも弊社事業のコアモデルとして生きていると考えて欲しい。
まず、弊社はひとつのエンタテインメント工場であると考えている。世の中にある、有名コンテンツ・優良な知的財産(以下、IP)、例えばマンガの大作やアニメ、映画、ドラマ、アーティスト、ゲーム、スポーツ、スター等の世の中の素晴らしいIPに、最先端のクリエイターにより様々な付加価値を足し、新しいコンテンツやより強いコンテンツにして世に送り出していく。
それをPS事業で自社開発にのせ、メーカーで製造(商品化)する。弊社はプロモーション部門においてプロフェッショナルなので、それをプロによる販売企画にのせ、PS業界最大手の経験豊富な営業のエキスパートが、ホールやユーザーに届ける。これが今のメインのビジネスモデルだ。さらに、ここで大きく育った商品、例えばヱヴァンゲリヲン等については、もう一度このコンテンツを、クリエイティブの工場のようなところにのせ、携帯電話や、ゲーム、グッズなど多方面に展開していく。全てのメディアウィンドウに対して、このモデルを適用していきたい。あくまでも狙う出口はこれらのメディアやPS事業であるが、事業のコアは素晴らしいIPを素晴らしいコンテンツに変えていくことだ。
今回、株式会社小学館クリエイティブと新会社を設立した理由は、決してマンガを売って収益を出したいのではなく、枯渇しかけているIPを、素晴らしいパートナーと協調しながらもう一度確立し、そこに商品企画、クリエイティブに対する栄養補給にまわしていきたいからだ。
例えば、ヱヴァンゲリヲンであれば、マンガあるいはアニメから発信したものが、クリエイティブ&テクノロジーによって企画開発され、商品がホールで稼動する。ヱヴァンゲリヲンに対しては3つのメディアに対して支持されているということだ。
ここで生み出されたコンテンツが良いものであれば、市場規模を問わず、大きな収益を生み出すことが可能だと考えている。
⇒席上配布資料 18-19ページ
もう一つ、PS事業について述べる。先ほどまでは、グループとしてのコアビジネスのモデルについて説明してきた。現状、収益のコアであるPS事業については、中期経営計画の進捗において、流通の利益だけでなく、将来は企画開発に参入したいという話をしてきた。これまでも、新日テクノロジー株式会社と、一部企画部門で映像開発領域のルーセント・ピクチャーズエンタテインメント株式会社があったが、この度、株式会社Fという会社を立ち上げた。この株式会社Fにおいては、企画だけでなく開発も担っていく。ようやく新日テクノロジー株式会社と株式会社FというPSの開発会社を軌道にのせることができた。このような、コンテンツやクリエイティブ&テクノロジーの企業群によって、企画開発のパワーアップや収益化、あるいは販売における利益の増大を目指していく。
将来はアセンブリを除いて企画開発の全領域を手がけるようになる。できるだけ身軽でかつ付加価値の高いビジネスモデルに向かって突き進んでいきたい。
改めましておはようございます。繁松でございます。
よろしくお願いいたします。
グループ全体、弊社の上場以来の、「コンテンツプロバイダー」「コンテンツインテグレーター」というスタンスをいかに進行させてきたのかという大屋の話を踏まえて、説明させていただきたい。
従来からパチンコ機の流通企業をやってきたフィールズが、それ以外の分野への投資を続け、伸ばしていくというスタンスでいることはご承知のことと思う。今後、PS事業以外で、未来にも企業が成長していく為に、新しい分野で収益基盤を作り上げることは、株主様にとっても非常に重要なことであると考えている。弊社の今の等身大の事業の中から新しい種を見つけていきたい。
⇒席上配布資料 20ページ
株式会社円谷プロダクションは、株式会社TYOという会社が円谷一族から買い受けて、創業一族の色々な思いや過去の歴史を受けとめここまで整理をして、前期は2億円強の経常利益を出せるまで回復した。これからウルトラマンや株式会社円谷プロダクションの保有している様々なIPを国内外に展開していく為に、シーズマネーを出しつつIPと連動して動かなければレバレッジを受けることは難しい。このような状況で、今後の株式会社円谷プロダクション及びウルトラマンの育ての親となる会社として、フィールズはどうかということを株式会社TYOから打診された。弊社はこれを可能性があるビジネスであると判断し、今回投資をしている。
⇒席上配布資料 21-22ページ
先ほど大屋からも話があったが、いわゆる優良IPを持つ企業としての株式会社円谷プロダクションは、海外でも非常にニーズが高く現在もハリウッドメジャーから2社ほど映画化のオファーがある。
今後、海外に対しても株式会社円谷プロダクションのもっている映画、アニメ、テレビドラマ、ゲーム等々を様々なプラットフォームに展開していきたいと思っている。
⇒席上配布資料 23ページ
株式会社円谷プロダクションの持株比率に関して弊社は51%保有し、残り49%は株式会社バンダイが保有している。今年の12月までは、マーチャンダイジングに関する大半の権利について、株式会社円谷プロダクションが株式会社バンダイに許諾する形になっている。今後、株式会社バンダイとは友好的な関係で協業を進め、海外展開もしていきたい。また、先ほども見ていただいたコンピューター・グラフィックス(以下、CG)の会社も含め弊社グループとして、子供向けだけでなく大人にも向けたウルトラマンの新しいドラマを展開していきたい。そして、遊技機の部門でのウルトラマンの展開については、京楽産業.株式会社と今後も継続して進めていきたいと思っている。昭和のウルトラマンだけでなく、平成のウルトラマンシリーズ、ウルトラマンダイナ等のコンテンツについても、PS領域に展開していけると思っている。ただ、株式会社バンダイのウルトラマン関連の売上は、2002年3月期に約100億円弱あったものが、直近では30数億円まで落ちている。ひとえに、ウルトラマンシリーズのテレビシリーズをずっとやれていないこと、映画を年に1本やれるかやれないかということ、子供向けのマーケティングに非常に弱くなってしまっている現状がある。これついても、今後株式会社バンダイと来年以降の展開を検討している状況だ。現在のファン、将来の国内のファン、そしてグローバルのファンを増やしていきたい。
そういった企業の例としてS社は、国内から海外の比率を上げてきている。同じようなことが株式会社円谷プロダクションの中で出来ると非常に良い。現在株式会社円谷プロダクションの売上の中の海外比率というのは数%しかない。ただ、逆にいうと海外のニーズに比べるとまだ収益的には貢献をしていないという点で、伸びしろがあると考えている。
⇒席上配布資料 24ページ
続いて、先ほどご覧いただいた株式会社デジタル・フロンティアだ。こちらも元々は株式会社TYOのテレビCM向けのCGの製作部門として作られた会社で、CGの分野で活躍する大手会社である。
現在、同社は、ゲームメーカー、映画会社、またパチンコ機・パチスロ機メーカーから映像制作を受託する形で利益をあげている会社だ。同社HPを見ていただけると同社の歴史から、当初から扱ってきた作品が数え切れないほど載っているので是非ご覧いただきたい。最近弊社が扱っている新鬼武者の映像等についても株式会社デジタル・フロンティアが手がけたものであるし、バイオハザード他、相当のメジャーな作品のCGを製作している会社だ。
⇒席上配布資料 25ページ
この映像に関して、PS事業でクオリティ向上のため利用するのはもちろんだが、エンタテインメントの部門として創業当時からの目標として、P社とD社で示されているような関係を株式会社デジタル・フロンティアとフィールズで構築したい。P社は高付加価値のIPをD社に提供することによって、商品・プラットフォームにマルチユースする。フィールズは、D社ほどの力があるか分からないが、この役割を担いながら株式会社デジタル・フロンティアのIPのマルチユース化を進めていき、更にワールドワイドなCGプロダクションとして育て上げたい。
今は、受託ビジネスだが、今後シーズマネーを投入することで販売や本業に伴うロイヤリティをレバレッジとしてかけられるビジネスにしていきたい。PS事業について、単純受託している会社もあれば、ロイヤリティを台あたり取られている会社もある。今後、弊社の提携転換を含めてレバレッジを架せられるようなご契約お願いし展開できればと考えている。
⇒席上配布資料 26ページ
続いて株式会社ヒーローズついて。現在、コンテンツのデジタル化によって、マンガや雑誌等の紙媒体の書籍の落ち込みが非常に厳しい一方で、優秀なマンガ家や優秀な作家が、紙媒体で書く場所を失ってきているという現実がある。
先ほどご説明した株式会社円谷プロダクションの持つウルトラマンは、言葉を変えればレジェンダリーコンテンツであり、テレビの視聴率を20%も30%も取っていた時代に、皆さんの心に焼きついたコンテンツである。逆に株式会社ヒーローズは、今の世の中でインキュベーションしていくマスターコンテンツを展開するにあたって業界の雄である株式会社小学館と、作家のリレーションを使わせていただきながら進めていきたい。
⇒席上配布資料 27ページ
この会社の目的は、PS事業、その他エンタテインメント事業におけるオリジナルのIPを生み出すことだ。先ほど示した弊社の大きなビジネススキームに株式会社ヒーローズを当てはめると、優良IPとしてのマンガ・書籍、これらをパチンコの商品、そしてメディアミックスということで全てのブランドで展開が可能な、非常に大きなIPとなる。この優良IPの中核になれたらと考えている。
⇒席上配布資料 28ページ
最近は、マンガを起点とした色々なエンタテインメントビジネスが非常に多くなっている。これは、PSはもちろんのことながら、ライブシアター、グッズ、ゲーム、映画、ほとんどのプラットフォームで展開できるという点で、大きな優位性があるのではないかと考えている。
⇒席上配布資料 29ページ
マンガ誌は、基本的には雑誌売上では収支が赤字になるので、雑誌社は通常、単行本の売上で損失を回収していく。弊社の場合は、コンテンツの様々なマルチユースによって非常に大きな収益を稼げる強気シナリオを想定する一方、紙コミックで発生した赤字をPS事業で回収する弱気シナリオの場合でも、紙の収支のほうは弊社のPS事業の営業網や、他の会社とのアライアンスによって極力ゼロになるように展開して、PS事業やその他のマルチユースによって利益を上げる方向に持っていければと考えている。当然これは紙だけではなくてデジタルの分野にも展開する。
現在弊社は、モバイルのコミック配信で現在業界2位の株式会社Bbmfマガジンと、webコミックス事業を行っているフレックスコミックス株式会社とともにビジネスをしているので、新情報端末上で新しい形でのデジタルコミックを展開するにあたり優位性をもっているのではないかと考えている。また、単純にマンガがデジタル化されるだけでなく、テクノロジーとIPの中身、その他諸々について実験的に色々なものに展開をして、将来に向けたマンガコミックの3D化についても現在試作品を作っている。従って、今買っているIPをこれから新しいテクノロジーや自社の流れに沿って、紙以外の展開も大きく進めつつ、グループ全体としてマルチユースして、エンタテインメント全般を盛り上げて行くということを株式会社ヒーローズでチャレンジしていきたい。
⇒席上配布資料 30ページ
また、弊社のグループ会社で3Dの立体変換の技術を持っている会社、ルーセントピクチャーズ・エンタテインメント株式会社と株式会社デジタル・フロンティアを核として、3Dの立体映像ビジネスに参入したいと考えている。単にハリウッド映画の3Dに勝負を仕掛けていくことではなく、日本のコンテンツをいかに3Dで活性化させて国外に出していくのか、もしくは国内で展開するかということを考えている。
⇒席上配布資料 31ページ
こちらが当初ご説明した弊社ビジネススキームに、弊社グループ会社と様々なパートナー会社を並べてプロットした物だ。コンテンツホルダーとしてなのか、レンタルとしてなのか、それにより立場が変わると思うが、この中で、インキュベーション系のIPや、もう一回焼きなおして世界や国内に通用するような優良IPを保有しつつ、右側にあるテクノロジーやクリエイティブを一つのエッセンスとして付け加えて様々なブランドに展開していければと考えている。この上場当時のビジネススキームをさらに進めていきたい。
今後とも是非ご支援の程よろしくお願いします。長くなりましたが私より以上です。ありがとうございました。