フィールズ デジタルアニュアルレポート2017

中期経営計画

3カ年中期経営計画

3カ年中期経営計画のフォーカスポイント(力点)

中期経営計画のフォーカスポイントは以下の3点です。
これらを着実に実行していくことで、3カ年の業績計画達成はもとより、さらなる成長を目指していきます。

1中長期の事業戦略遂行と並行して、短期業績回復に注力
パチンコ・パチスロ事業プラットフォームにおける流通基盤の強化
各IPプロジェクトの黒字化
2「企画・プロデュース力」をコアとした事業バリューチェーンの再構築
顧客志向・変化対応・情報力・パートナーシップ・企画力・飽くなき事業開発
商品の理想を追求するプロデュース力の組織的向上
3[IP×事業プラットフォーム]事業モデルの進化
IP視点、事業プラットフォーム視点、双方からのアプローチの徹底
[IP×事業プラットフォーム]の拡大および深耕による収益化

3カ年の市場認識

1. パチンコ・パチスロ市場

背景

2014年9月 型式試験方法の変更(以降遊技機に関する相次ぐ規制)
2016年12月 「IR推進法」公布
2017年7月 風適法施行規則等の改正案発表
2020年7月~9月 東京オリンピック・パラリンピック開催予定

最高に心地よいエンタテインメント空間となるために

パチンコ・パチスロ市場は、2016年12月のIR推進法や2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催などの影響もあり、パチンコ・パチスロに対する依存(のめり込み)防止を目的とした対策(規制)が引き続き講じられる見込みです。しかし、パチンコ・パチスロの射幸性を低下させ、エンタテインメント性を向上させるというテーマは、この短期に限らず、長期的な業界全体のテーマでもあります。もともと、地域社会に根付き、大衆娯楽として親しまれてきたパチンコ・パチスロが、地域社会にとって、最高に心地よいエンタテインメント空間になることを望まれている、変革のタイミングに差し掛かってきていると言えます。

2. エンタテインメント市場

背景

  • アジア以西の地域の人口増による子ども向け市場の拡大
  • グローバル企業のアジアシフト
  • 消費者の「経験価値」重視傾向の高まり
  • VR(Virtual Reality=仮想現実)やAR(Augmented Reality=拡張現実)など、“リアル”の新しい形が拡大
  • 実物の商品所有から、データ上で商品・サービスを消費するスタイルに変化

世界市場は順調に拡大

エンタテインメント市場は、技術革新による新たな商品やサービスの登場、消費スタイルの変化など進化の最中にあります。出版市場では、紙媒体が減少する一方、電子書籍市場の成長が加速しています。ゲーム市場では、国内は緩やかながらも拡大を続け、グローバルにおいても引き続き拡大傾向にあります。映画市場では、2011年以降、堅調に拡大が続いています。ライブ市場では、近年2.5次元ミュージカルなど新しい取り組みが市場拡大を牽引しています。

3カ年の業績計画

2017年度は、中長期的な収益力向上を主眼とした事業活動に注力していきます。また、当社のDNAである市場の過去・未来を見据えた「企画・プロデュース力」のさらなる強化を徹底するなど、事業バリューチェーンの再構築を図っていきます。加えて、IP軸と事業プラットフォーム軸の双方向から収益の最大化を図る事業モデルへと進化させる取り組みを推進していきます。
これらにより、業績見通しとしては、売上高820~850億円、経常利益0~20億円、親会社株主に帰属する当期純利益0~10億円を計画しています。なお、主力分野であるパチンコ・パチスロ分野において、市場環境などに一部不確定要素があり、レンジでの開示としています。また、中期的な視野に立った事業の選択と集中および経営の効率化を進める過程でのリスクも考慮した利益計画としています。

2018年度の業績見通しとしては、売上高710~740億円、経常利益20~30億円、親会社株主に帰属する当期純利益10~15億円を計画しています。なお、売上高は、パチンコ・パチスロ事業におけるセールスミックスの影響から前年度と比較して減少していますが、経常利益は従前より進めている経営効率化の効果、およびパチンコ・パチスロ事業、クロスメディア事業ともに収益貢献が見込めることから前年度と比較すると増益となっています。

2019年度の業績見通しとしては、売上高810~880億円、経常利益50~70億円、親会社株主に帰属する当期純利益25~35億円を計画しています。パチンコ・パチスロ事業は商品ラインアップや販売体制がより進化し、クロスメディア事業は国内外で顧客接点がより拡大していくことから、売上高・経常利益ともにさらなるアップサイドを目指せる環境になると考えています。なお、当事業年度の利益割合としては、パチンコ・パチスロ事業とクロスメディア事業の比率が70対30程度になると見込んでいます。

売上高
チャート:売上高
経常利益
チャート:経常利益
親会社株主に帰属する当期純利益
チャート:親会社株主に帰属する当期純利益
(表1)中期業績計画

(単位:億円)

2016年度 2017年度 2018年度 2019年度
売上高 766 820~850(+54~+84) 710~740(△140~△80) 810~880(+70~+170)
営業利益 △53 10~20(+63~+73) 20~30(0~+20) 50~70(+20~+50)
経常利益 △90 0~20(+90~+110) 20~30(0~+30) 50~70(+20~+50)
親会社株主に帰属する
当期純利益
△124 0~10(+124~+134) 10~15(0~+15) 25~35(+10~+25)

※括弧内、前期比増減額
※中期経営計画の進捗については各種決算開示資料をご確認ください

短期業績回復に向けた取り組み

1. パチンコ・パチスロ事業プラットフォーム 流通基盤の強化および取扱い商品の拡充
2. クロスメディア事業プラットフォーム 編成済みIPの収益化および収益積み上げ施策の実施
3. 経営基盤 コスト最適化による経営基盤の強化

1. パチンコ・パチスロ事業プラットフォーム

流通基盤の強化および取扱い商品の拡充

全国に展開する営業拠点の増強を図り、顧客ホールへのよりきめ細かいサービス提供、提案活動に努めます。また、メーカー各社とのリレーション強化による商品ラインアップの拡充に努めます。加えて、非提携メーカーへの販売協力による取扱い商品の拡充を進めます。

2. クロスメディア事業プラットフォーム

編成済みIPの収益化および収益積み上げ施策の実施

様々なメディアにおける有力パートナーとの協業により、すでに編成済IPのライセンスアウトなど収益の拡大を図ります。また、ライブエンタテインメント分野における大型集客施設との協業など、新たな収益機会の創出を図ります。

3. 経営基盤

コスト最適化による経営基盤の強化

事業における収益拡大はもちろんのこと、原価低減など販管費を含めたコスト最適化などを推進し、引き続き経営基盤の強化を図ります。

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