ご挨拶
株主、投資家の皆様をはじめ、ステークホルダーの皆様におかれましては、平素より当社へのご理解とご支援を賜り、心より感謝申し上げます。
また、昨年度の業績につきましては、皆様に大変ご心配をおかけする結果となりましたこと、心よりお詫び申し上げます。当社はこの経験を無駄にせず、これを糧として将来的な飛躍を確実に成し遂げるため、経営陣をはじめ全社が一丸となり一層の精進を重ねてまいります。
創業期のPS流通改革
当社は創業来、日本全国の各地域において人々の生活に密着し、大衆娯楽として親しまれていたパチンコという遊びに将来的なポテンシャルを見出し、パチンコが地域密着型の価値あるエンタテインメントとして発展する道を模索するべく取り組んできました。
当社はメーカーでもなくパチンコホール事業者でもなく流通商社という立場から、ファンの真のニーズを探求し、これらに応えるべく改革に着手しました。パチンコホールに設置される遊技機のラインアップ、提供されるサービス、さらにはパチンコホールという空間そのもののあり方まで、多岐にわたり様々なことを業界全体に提案し続けました。
その一環として、遊技機のハードの進化に合わせ、よりエンタテインメント性の高い遊技機の創出に注力するべく、大手メーカーとの協力体制を築いてきました。マンガやアニメ、映画などのキャラクターを活用した商品開発を提案・推進し、パチンコ・パチスロを勝ち負けだけではない、より多くの人々が楽しめるエンタテインメントとするための変革に取り組んできました。
IPビジネスの黎明期
キャラクターなどのいわゆるIP(知的財産)を活用した遊技機の企画開発を推進してきた当社は、2003年にJASDAQ(当時)市場へ上場した後、戦略のコアとなるIPの商品化権を、あらゆるエンタテインメントの分野から集中的に確保しました。
その後、市場はIPを活用した遊技機が主流となり、あらゆるメーカーから同様の新機種が発売されるにつれ、当社は将来的なIPの枯渇、特に遊技機の特性に合致するIPの不足を憂慮し、自らもIPの創出や保有に取り組み始めました。
大手出版社との協業により月刊誌を創刊、従来の流通慣習にとらわれない独自の流通経路を開拓し、新たなIPを創出するモデルを構築しました。また2010年には、日本を代表するヒーロー『ウルトラマン』を創出した(株)円谷プロダクションをグループに迎え入れ、同社が保有する数多くのIPの活用を図ってきました。同時に、デジタルコンテンツの活用を企図し、最先端のCG技術を有する(株)デジタル・フロンティアもグループに迎え入れ、IPを中核としたビジネスの基盤を少しずつ構築してきました。
そして2012年、IPを中核とした新たなビジネスモデルを発表しました。IPの取得はもちろん、自らもIPを創出・保有する“IPオリエンテッド”な企業として、IPを多様な事業プラットフォームに展開する循環型のビジネスモデルを打ち出し、これを実践しています。
今後の成長期に向けて
今や日本のマンガやアニメなどのコンテンツは、世界中で活躍しています。当社はIPを中核としたビジネス展開をさらに加速させ、日本の将来を担う産業として大きな期待を集めるコンテンツ産業の発展に貢献するとともに、この世界に暮らすすべての人々に最高の余暇を提供し続ける企業であることを目指してまいります。
近年、エンタテインメントの領域では、技術革新によるハード・ソフトの進化および人々の余暇時間の増加により、顧客ニーズの多様性がますます広がっています。こうした多様化する人々のニーズを捉え、またグローバルにおける習慣や文化の違いに合わせ、あらゆる形で子どもから大人まですべての人々が楽しめるエンタテイメントを創造するため、当社は、これまでのすべての経験を糧に、私たちのなかに根付く探求心や企画力、チャレンジ精神といった本来のDNAを発揮し、自らのビジネスモデルも進化させながら、挑戦を続けてまいります。そして、最高のエンタテインメントによって、世界中が喜びや感動にあふれることを心より願っています。
さいごに
これまでも「すべての人に最高の余暇を」という企業理念にご賛同いただき、多大なるお力添えを賜りましたステークホルダーの皆様には、あらためまして深謝申し上げます。皆様からのご期待に応えるべく、今後とも精進してまいりますので、引き続き、倍旧のご指導とご鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。